ある日、買い物行ってその帰りに駐車場にある車に乗り込みエンジンを掛けようとしたらセルが回らない。正確に言うとほんの少しセルが回る音がするのだがすぐ止まってしまう。
ん?バッテリーが上がったか?と思ったが、バッテリーが上がる原因が思い浮かばない。
というより、つい先ほどまで車を運転して買い物に来たのに、たった5分ほど買い物をしている間にバッテリーが上がるわけがない。
なんてことを考えていたが、もう一度試しにキーをひねってみたら普通にセルが回ってエンジンが始動した。
その日は特に深く考えずそのまま何もしなかったのだが、翌日また全く同じ現象が現れた。
車に乗ってエンジンを掛けようとしてキーをひねってもセルが回らない。しかし1分後くらいにキーをひねるとセルが回ってエンジンが掛かる。
とりあえずこのままでは気持ちが悪いので調査することにした。
調査
バッテリーの調査
バッテリーは2年ほど前に交換した記憶がある。ボンネットを開けてバッテリーを見てみたら取り付け日が書いてあった。
2年と2ヵ月ほど経過している。格安のバッテリーだったのでそろそろ寿命かもしれない。さらに最近寒い日が続いているのでさらに性能が低下している可能性がある。
バッテリー液が少し減っているので補充が必要だ。
ヒューズ関連
とりあえずヒューズボックスを開けて全てのヒューズを外して目視でチェックしてみたが、ヒューズに異常は見られない。
念のために再度ヒューズをはめる時に接点復活剤(KURE コンタクトスプレー)を噴射して付け直した。
ダイナモ
ダイナモが故障した場合には走行後でもすぐにバッテリーが上がることもあるが、今回のケースでは1分ほど待つと普通にエンジンがかかるのでダイナモの故障ではない。
とりあえず対策開始
とりあえずバッテリーが寿命と寒さで劣化している可能性が高いので、ホームセンターで補充液を購入してきた。
補充液をバッテリーのMAXラインまで補充する。
補充が終わったらメルテックのバッテリーチャージャー SC-1200で充電をしてみる。
充電の方法だが、バッテリーチャージャーの説明書では普通車は8Aで充電となっているが、あえて2Aで約24時間ほど長時間充電をすることにする。
犯人発見
充電を始めてしばらく経ち、バッテリー充電率が「80%」になっている時に、ふと車の中の荷物を取るために車のドアを開けた。
そのときに事件が起こった。
なんと、荷物を取ってまた戻ってきたらバッテリー充電率が一気に下がり「LOW」という表示に変わっていたのだ。
一瞬目を疑ったが、確かに「LOW」になっている。そして次の瞬間、「LOW」から「60%」へと変化した。
ん?なんだこの現象は?
もう一度この現象を再現させてみる。
- バッテリー充電率をチェックする。「充電率:60%」
- 車のドアを開けて閉める。
- もう一度バッテリー充電率をチェックする。「充電率:LOW」
- しばらくすると「充電率:60%」に戻る。
また全く同じ現象が起きた。
その時、ある事象を発見する。
充電率が「LOW」から「60%」に復活した瞬間と同時に、車のルームランプが消えたのだ。
つまり、バッテリーの電力を低下させていた原因は車のルームランプだったのだ!
簡単に説明すると以下の流れになる。
- 車に乗り込む際にドアを開けるとルームランプが点灯。
- バッテリーの電力が低下。
- セルが回らない。
- しばらくするとルームランプが自動的に消灯。
- バッテリーの電力が復活。
- セルが回るようになる。
全ての謎が解けたw
犯人はルームランプや!
ルームランプ交換
とりあえずルームランプを外す。マイナスドライバーでこじってカバーを外したらランプは手で簡単に外せた。
それがこれ。
電圧12ボルト長さ31mmの典型的なハロゲンのルームランプ。
よく見ると消費電力は8Wと書いてある。(たぶん故障しているので今はもっと高い)
どうせならLEDに交換する。
Amazonで「T10 31mm LED ルームランプ 電球色」を検索し、良さそうなLEDルームランプを購入して到着。それがこれ。
消費電力は1.5Wでかなりエコだ。2個セットで価格は680円(購入時)
新旧のルームランプを比較してみる。
これは期待できそうだ。
ルームランプ交換後
AmazonでLEDルームランプを注文して到着するまでの間に、既にバッテリーの充電率は「FULL」にまで到達して充電は完了しているが、もう一度充電器を繋いでルームランプを点灯させて再度テストをしてみる。
- バッテリー充電率をチェックする。「充電率:FULL」
- 車のドアを開けて閉める。(LEDルームランプ点灯)
- 直後にもう一度バッテリー充電率をチェックする。「充電率:FULL」
完璧です。
さすがLEDと言わざるを得ない。
おまけでフューエルワン投入
先日、原付に投入してエンジンが見事に復活したワコーズ F-1 フューエルワンが残っていたのでガソリン満タンのタンクに迷わず全量投入。
これでエンジンも調子が良くなるはず。
その後の調子
その後、約2週間ほど様子をみましたが、何の問題もなくキーをひねればセルは勢いよく回りエンジンは一発始動で快調です。
フューエルワンのおかげで走りも良くなりました。
【備考】外出先でバッテリーが上がってしまった場合の対処方法
今回はバッテリーが復活したので何の問題もありませんでしたが、もし外出先などでバッテリーが上がってしまった場合の対処方法も書いておきます。
主な対処方法
主な対処方法は以下の5つです。目安として上から順に検討しましょう。
- 家族や知人に車で来てもらってバッテリージャンプを行う。
- JAFを利用する。(会員になっている場合)
- 自動車保険のロードサービスを利用する。
- 車を購入した自動車ディーラーや日頃のメンテナンスを頼んでいる整備工場に連絡して来てもらう。
- 近くのガソリンスタンドに電話して来てもらう。
まず、車に詳しい家族や友人がいる場合は、連絡して「ブースターケーブル」持参で車で来てもらいましょう。
それが無理ならJAF(会員になっている場合)か、自動車保険のロードサービスを利用しましょう。バッテリー上がりだけなら基本的に料金はかからない事がほとんどです。
それも無理なら車を購入したディーラーや日頃世話になっている整備工場に連絡。顔なじみならばサービスで来てくれることもあります。
そして最後がガソリンスタンドです。
バッテリージャンプの方法(つなぎ方)
バッテリージャンプとは、正常な車とバッテリーが上がった車のバッテリーどうしをブースターケーブルで繋いでエンジンを掛けることです。
バッテリージャンプの際はブースターケーブルを繋ぐ順番があります。
■バッテリーをケーブルで繋ぐときの順番
① 故障車のプラス(+)に赤ケーブルをつなぐ
② 正常車のプラス(+)に赤ケーブルをつなぐ
③ 正常車のマイナス(-)に黒ケーブルをつなぐ
④ 故障車のマイナス(-)に黒ケーブルをつなぐ(※火花が出てバッテリーから揮発している水素に引火すると危険なので、エンジンの非塗装の金属部分やボディのビスなどに繋ぐほうが理想です)
※「赤故障プラプラ、黒正常マイボディ」と覚えましょう。
※つないだ時とは逆の順番で外していきます。
① 故障車のマイナス(-)を外す
② 正常車のマイナス(-)を外す
③ 正常車のプラス(+)を外す
④ 故障車のプラス(+)を外す
よく忘れてしまうので覚えておきましょう。
バッテリー自体を新品に交換する際の手順
バッテリージャンプではなく、新しいバッテリー自体を手配して新品と交換することもありますので、その際の手順も記載しておきます。
① エンジンを止めてキーを抜く
② バッテリーのマイナス(-)を外す
③ バッテリーのプラス(+)を外す
④ バッテリーを取り外す
■新しいバッテリーを繋ぐときの手順
① 新しいバッテリーを取り付けて固定する
② バッテリーのプラス(+)をつなぐ
③ バッテリーのマイナス(-)をつなぐ
④ バッテリーの端子カバー等があれば忘れずに取り付ける
まとめ
- バッテリーは寿命で劣化し、寒い日は更に性能が落ちる。
- バッテリー液が補充できるタイプの場合は液量をチェック。
- 充電する時は低いアンペア(A)で長時間充電する方が良い。
- ヒューズは目視でチェックして接点復活剤を吹きかけるが吉。
- ルームランプが劣化又は故障すると電力消費が急増するケースがある。
- LEDのルームランプはオススメ。(フューエルワンもオススメ)
以上で解決です。